息子が中学時代の話。
私が朝玄関で見送る際、大体いつも後頭部に寝ぐせが有りました。
あまりに激しい寝ぐせの時は「寝ぐせ直したら?」と言うのですが、手でチャチャっと押さえながら
「大丈夫だよ。どうせ俺の事なんて誰も見てないから。」
と言ってそのまま登校していました。
ある日、その光景を目撃した夫。
息子の発言が心にビビッと来たそうです。
「そうだよな、俺だって人のことなんてたいして見てないのに、自分は人の目を気にし過ぎてたかも。」
10代少年の
「大丈夫だよ。どうせ俺の事なんて誰も見てないから。」
は、40代おっさんにとっては名言で人生感を変えたと夫から告白されました。
私的には「え、そんなに?」と思ったのですが、思いがけない所に名言は転がっていもんだ。
それからというもの、夫は年上のおじさまが帰り際、ロッカーの小さい鏡を見ながら一生懸命髪を梳かしたり、また別のおじさまが移動中の車内、信号で止まる度にクシを取り出し、ルームミラーを見ながらほとんど無い髪を梳かしている姿を見て、
「大丈夫だよ、おっさんの事なんて誰も見てないから」と心の中でつぶやいているそうです。
最近、高校生になった息子に「俺の事なんて誰も見てない」発言が我が家で名言になってるよ、と話したところ
「いや、あの時の俺は自意識不足過ぎた」と思いがけない返しが。
高校生にもなると考え方も変わるよね。
ある程度の身だしなみは必要だけど、確かに自分が思っているほど人は他人の事なんて見ていないというのは確かだと思います。